「早期退職してよかった?」脱サラした60歳カフェ店主の哀しい回答

人生そんなに甘くない
寺田 淳 プロフィール

この「先輩」の経験談を聞いて、相談者のAさんは、自分は現状から逃避したいがための喫茶店経営に憧れていただけだったという甘さに気付き、独立の夢を捨て、今も苦労しながら営業マンを続けています。 

「好きな事で稼ぐことは難しい」

次に紹介する相談者は、電機メーカーの営業部長Bさん60歳です。

Bさんは理工系の高校出身で、新卒で工場の製造部門に配属され、以来20年近く現場での製造管理や製造計画に携わってきました。

元々人とつるむとか、人を相手の仕事よりも機械相手に黙々と仕事をすることを好むタイプで、職場には何の不満も持っていませんでした。

それが、40歳を前に市販メーカーにつきものの商戦期の販売応援に駆り出されたことで大きくその後の人生が変わっていきました。控えめな口調や丁寧な接客が功を奏し、歴代最高の売り上実績を叩き出したのです。その結果、販売応援を終了して数カ月後に、営業本部からの懇願で、全く望まなかった営業への異動となりました。

そんな時、リーマンショックの影響で会社の業績が急激に悪化。早期退職優遇制度を伴う大量のリストラ計画が発表になりました。営業職への異動に気が乗らなかったBさんは、思わず手を挙げようかと考えたものの、家庭的にもおカネのかかるタイミングだったため、「辞めてやる!」とは言えず、最終的には営業所勤務に就きました。

 

不満タラタラながら営業に異動したBさんでしたが、現実は意外な展開を見せました。その後わずか10年で生え抜きの同世代を飛び越して、営業所長に抜擢され、その後も大都市の営業所長を経て、これまた50代前半で本部管理職に昇進、最後は営業本部長の要職に就いたのです。