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A級トップ棋士の誇りと意地の戦い「将棋界の一番長い日」をご存知か

決戦は本日午前9時より始まる

極限状態のなかで

「将棋界の一番長い日」をご存知だろうか?

それはトップリーグ、順位戦A級の最終戦が一斉に行われる日を指す。名人に挑む者とA級の座から陥落する者が決まるため、昔から注目を集めてきた。朝から始められた対局は深夜にまで及び、トップ棋士の頭脳と体力は限界に達する。極限状態のなか己の一手が運命を左右し、ときには信じられないような大逆転劇が起こってしまう。今年の決戦の舞台は静岡県静岡市「浮月楼」。対局は本日2月27日朝9時に開始される。

順位戦は1946年に開始された伝統のある棋戦で、これまで様々なドラマが生まれてきた。今回はA級の歴史的な戦いを振り返ってみよう。

まずは順位戦の仕組みを説明しよう。順位戦は1年かけて行われるリーグ戦で、クラスは上から順にA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組に分かれる。人数はピラミッド型で、現在のC級2組が52人なのに対しA級は10人。A級の優勝者は、将棋界には8つあるタイトルのひとつ「名人」に挑戦する権利を得る。

順位戦は各リーグで昇級者と降級者(B級2組以下は降級点制度で、累積すると降級)の人数が決まっている。新四段は原則C級2組からの参加。下のクラスからひとつずつ上がっていくしかないため、いくら成績が優秀な棋士でもいきなりA級に参加はできない。順位戦を指さない棋士、またはC級2組から降級した棋士はフリークラスに所属し、規定の年数や年齢に達すると基本的に引退が決まる。

 

順位戦で昇級すれば段位が上がり、他棋戦のシードが増えていく。また、実績を残した名棋士でも順位戦で勝てないと現役を退かないといけない。順位戦は棋士生活が懸かっているのだ。