『スカーレット』は滋賀県が舞台だが、琵琶湖が出てこない。
第一話冒頭にいちど出てきたが、その後、出てこない。琵琶湖“大橋”のことで話題になったが、風景としての琵琶湖はほぼ無視されている。
あまり「滋賀らしさ」を前に押し出してこないドラマである。
そして、不思議な展開を見せている。
ヒロインは自分のやりたいことをやりとおして陶芸家として成功したのだが、どんどん身のまわりが寂しくなっている。心にすきま風がすびゅうびゅう吹いているような描写が続く。
広い家に一人でつましく暮らす姿を見せてくれる。
なんか、これまでの朝ドラではあまり見たことのない不思議な風景である。若いころのヒロインが一人で食事をするシーンというのはこれまでもあったはずだが、功成り名を遂げた(それほどでもないが)ヒロインが、広い家でさびしげに暮らしているというのはちょっと珍しい。
これからの日本を象徴してるのかもしれないが、ドラマ舞台はまだ1980年代である。
なかなかせつないドラマなのだ。
最後は明るくなるのかもしれないが、2月の放送は、ちょっと物哀しい展開だった。