2020.02.27
# 歴史 # 不正・事件・犯罪

731部隊の闇…日本社会がどうしても隠したい「残酷すぎる過去」

新資料が示したこと
島崎 晋 プロフィール

終戦時、731部隊の人員は約3900人を数え、軍医52、技師49人、雇員1275人、衛生兵1117人という部隊構成だったと具体的に示されている。京都大学医学部講師の身から731部隊に派遣されて凍傷研究を行ない、戦後は京都府立医科大学長になった吉村寿人の回想によると、「京大の助教授・講師級の若い者が8名(病理学3、微生物学2、生理学2、医動物学1)が派遣されることになった」。

同じく戦後、吉村以外の京大出身の元731部隊員たちが医学界に戻り、金沢大医学部長、京大医学部長などを務めた。学者以外にも京大出身者はいて、石井四郎の片腕と言われたM元軍医大佐や、先ほどから何度も取り上げている内藤良一もまた京大医学部の卒業生だった。

京都大学の出身者やかつてそこに籍を置いていた者が戦争犯罪に手を染めていたというわけだ。真っ当な人生を送る卒業生にとって許しがたいことで、実験成果をもとに博士論文を認め、博士号を授与されたとなればなおさらであった。

 

「サルの頭痛」

京都新聞の記事で問題として取り上げられたのは、1945年に戦死した将校の論文「イヌノミのペスト媒介能力に就いて」で、ペスト菌を、イヌノミを介してサルに感染させ死亡させた特殊実験中に、サルが「頭痛を訴え」と記述されていた点である。

「求める会」は、サルが頭痛を訴えることはありえず、このサルは捕虜を指す隠語の一つで、実際に人体実験が行われたのではと疑い、博士号の取り消しも視野とした再調査を申し入れたのだった。

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