731部隊が使用していた施設〔PHOTO〕Gettyimages

731部隊の闇…日本社会がどうしても隠したい「残酷すぎる過去」

新資料が示したこと

新型肺炎を巡る報道が連日、洪水のように流されている。ほとんど否定されているようだが、一部には武漢にある武漢ウイルス研究所で生物兵器として開発されていたものが流出したのではないか、という噂も流れている。

奇しくもこうしたタイミングで、日本国内でも、先の大戦中に生物兵器の実験をしていた「731部隊」に関する報道が相次いでいる。

ひとつは人気コミック『僕のヒーローアカデミア』に登場する「志賀丸太」という登場人物の名前が無神経だと海外、特に韓国からの批判を受け、著者の堀越耕平氏が謝罪と名前の変更を余儀なくされたニュース。

そしてもう一つは、京都新聞に「サルが頭痛」という見出しで報じられた、731部隊に関するニュースである。

細菌兵器が作られていた工場(中国・ハルビン)〔PHOTO〕Gettyimages

731部隊とは、結局何だったのか

731部隊の正式名称は「関東軍防疫給水部」。「関東軍」とはよく聞く名前だと思うが、正式には、日露戦争の勝利により獲得した遼東半島南部(関東州)と旅順・長春間の鉄道沿線防衛のため創設された部隊を前身とした軍のこと。その後、日本による満洲の植民地化において中心的役割を担うこととなった。

731部隊は満洲北部の平房(現在の黒龍江省哈爾濱〈ハルビン〉市平房区)という寒村に、一大細菌・生物戦施設を設け、捕虜とした中国人やロシア人約3000人を「マルタ」と称し、文字通り「丸太」のごとく非人道的な扱いをしながら、ペスト菌やコレラ菌など細菌の感染実験、生体解剖を重ねていた。

 

「僕のヒーローアカデミア」の件は、この「マルタ」を連想させるという批判なのだ(なお、著者はそうした意図を否定している)。