# JR # 鉄道

トラブル続発の「JR窓口」、突然のクレカ障害はなぜ起きたのか

抜本的な再構築が必要なのか
杉山 淳一 プロフィール

現行システムの限界を感じた

マルス側は<JRごとの予約サイトから指定席要求情報を受け取ると、マルスが空席情報を返す。予約サイトが座席を指定すると、マルスは指定席情報を予約済みとし、予約サイトに指定券発行許可を出す>。

この関係だと、他のJR予約サイトは指定券情報を持たないから、指定席を購入したサイトの指定窓口に行かないと発券できない。

JR予約サイト同士で指定券情報を交換できないのに、なぜ今回、すべてのJR窓口がトラブルの対象になったかと言えば、マルスがクレジット認証サービスへの照会を代行しているからだ。

赤枠がトラブルの被疑箇所。座席指定券発行業務に影響はなかった。窓口やネット予約サービスにおいて、クレジットカード情報を参照する場合だけ赤枠部分に照会する。しかし応答がなかったため機能停止となった。コンビニ決済についてはトラブルの報道がなかったため、決済サービス接続システムのインターフェース、または接続回線が疑われる。JR東海の新幹線予約サービスは座席情報のみMARSを使用し、決済/照会に関しては独自のルートを構築しているとみられる。

「マルス」はJRの全列車の指定席情報は持っているけれども、JRのサービスを共通化するプラットホームではない。理由はわかったけれども、それでも筆者は納得できないことがある。

どのJRサイトで予約しても、全国すべてのJR窓口で受け取りたい。コンピューターは人間の手間を省いて入れるけれども、人間の行動に制限を作ってはいけない、と思うからだ。

 

今回のJRクレジットカード決済トラブルと、かねてより指摘されてきた「JR予約サイトでエリアまたぎの受け取りができない問題」は、21年間も拡張型として進化してきた「マルス501」の限界を露呈した。

今後、Maasなど新しい交通モードを取り込み、訪日観光客の需要に応えて海外からの指定席購入要望に応えるためにも、新型マルスによるシステム改革が必要だろう。きっと公表されないだけで、すでに取り組まれていると信じている。

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