新型コロナで大打撃、これから中国経済を襲う「最悪シナリオ」の中身

ショッキングな数字は出る。しかし…
大槻 奈那 プロフィール

ショッキングな数字のウラで…

では、これらの中小金融機関の経営難で混乱が発生した場合、海外にも混乱が波及しうるのだろうか。

現在、中国の金融機関の海外向け与信額は大きくない。特に、中小金融機関は、日本の地域金融機関以上に、国内業務に特化している。しかも、図表5の通り、中国の銀行の海外資産残高は増加傾向にはあるものの80兆円程度となっている。小さくはないが、それらが減少したとしてもクロスボーダー与信全体(29兆ドル≒3300兆円程度)に比べると1、かなり限定的である。

中国の経済活動は1月後半から、停止している分野が大きく、これから出てくる経済指標には、ショッキングな数字も多いだろう。しかし、流行初期に厳しい対策を取れば取るほど、回復までの道筋が見えるのも早いはずである。

ただし、今回の民間金融機関による支援は、将来的に返済が容易なものではなく、財務的な負担に繋がりそうだ。

 

このため、今回の対策で相対的に割を食いそうなのは金融セクターではあるが、それも問題は国内に留まりそうだ。まだ状況を注視する必要はあるものの、数か月後には、(金融機関の犠牲のもとに)円滑な金融市場を取り戻すことが十分可能だろう。

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