マンション売却でトクする「仲介会社との駆け引き」まさかの方法

業者ナシでマンション売却体験記(7)
大原 みはる プロフィール

仲介業者にしか聞けない情報がある

では「おうちダイレクト」では入手が難しく、仲介業者からしか聞けない情報とは一体どのようなものなのだろうか。業者からそれらの情報を引き出すことが、有利な条件で「セルフ売却」を進めるための鉄則だと筆者は考える。

(1)物件を買う可能性のある顧客層のボリュームやイメージ(家族構成、年齢構成、現在の居住地域など)

中古物件の売却において最も大事なのは、我が家を売り出したときに、実際に購入を検討する人たちがどれくらいのボリュームで存在するのかということである。数が大事な理由は、検討してくれる人が多ければ多いほど、買主候補を次々と物件に案内し購入の検討をしてもらうことができるので、より早く、少しでも高い値段で成約する可能性が高まるからである。

ただ、けっこうな販売費用をかけて大々的に広告が打たれる新築マンションと異なり、中古マンション物件の買い手候補はその物件の近くにある賃貸または築古の分譲マンション住人など、かなり限られた範囲にとどまるのが現実だ。訪問査定に来る仲介業者の営業員はそうしたリアルな客を抱えていて、近隣の他のマンションへの見学案内もしていたりする。

もうお分かりだろう。我が家の立地条件、間取り、価格…などから判断して、そうした顧客に投げかけたらどういう反応をするか、売り出せば瞬殺なのか、そうでないのか……。訪問査定の場を使えば、営業員からリアルな話をいくらでも聞き出すことができるのだ。

特に、地元で評判のよいマンションであれば、周囲の賃貸物件に住みながらそのマンションの中古の部屋が出るのを待っている人たちがけっこういる。筆者の場合、自宅の売却成約後に近所の人から聞いた話だが、第2回で触れた「この物件はうちにお任せください!」という趣旨のチラシを入れてきた仲介業者は、そういう人たちの待機リストを持っていたそうだ。

 

当然、そういうマンションは価格設定が無茶でない限り、外向けの広告を出す前に購入者が決まってしまう。自分が売ろうとしているマンションが地元の購入検討層からどのように見られているのかということは、家を売ろうとする者なら誰しも関心があるところではないだろうか。