医師の警告…新型コロナ「軽症・無症状でうつす人」が増加の危険性

今後は「感染を拡げない努力」が必要だ
押谷 仁 プロフィール

主に上気道でウイルスが増えている感染者では、症状は比較的軽く、通常のインフルエンザと同程度かそれよりも軽く済む場合もあり、症状がまったくない人も存在する。

それに対して、主に下気道でウイルスが増えている人は重症化する可能性が高く、重症化するとSARSと同じように重症のウイルス性肺炎を引き起こす。重症のウイルス性肺炎は治療が困難であり、これが日本でも死亡者が発生してしまっている原因だと考えられる。

 

新型コロナウイルスの場合、重症者ではSARSと同様の感染性があると考えられるが、必ずしも重症者だけに感染性があるというわけではないことを示唆するデータも得られてきている。つまり軽症者でも感染性がある可能性が高い。

無症状の人から感染が起きているかどうかは現時点でははっきりとはわからないが、この可能性も完全には排除できない。肺の奥でウイルスが増えているだけでは、咳やくしゃみなどによって排出されるウイルスは少なく、呼吸器ウイルスが人から人へ効率よく感染するためには、喉などの上気道でウイルスが増殖する必要があるのだと考えられる。このように考えると、むしろ軽症者の方でより感染性が高いという可能性もある。

「飛沫・接触」以外の感染経路もあり得る

新型コロナウイルスの感染経路については、正確なことは何もわかっていない。飛沫感染(咳・くしゃみなどでの感染)や接触感染(ウイルスで汚染された場所を触った手などで鼻などを触ることで起こる)が主体だと考えられているが、それ以外の感染経路がある可能性も完全には否定できない。

インフルエンザでは、咳やくしゃみなどをしなくても通常の会話などをしている際にも小さな粒子が排出されていて、それらの粒子にウイルスが含まれており、このような小さな粒子が感染源となっている可能性が指摘されている。