最新版「バフェットの手紙」で判明、100万円を26億円に増やす手口

投資の神様は一流の経営者でもある
大原 浩 プロフィール

「本質的価値」を見極めるのが投資

3ページ目の本文冒頭は、バークシャーの2019年度における814億ドルの利益のうち、537億ドルに及ぶ部分について特に言及している。

いわゆる含み益(損)を決算に取り込む会計手法だが、2018年から導入されたGAPP(米国会計基準)の新ルールによるこの含み益によってバフェット(バークシャー)が投資した企業(株式)の「本質的価値」が変化するわけではないのに、決算上の利益が大きくぶれる。このような会社の実態「本質的価値」を表さない会計手法に対して、バフェットは常に批判的だ。

〔photo〕gettyimages

「本質的価値」は読者にとって聞きなれない言葉かもしれないが、2013年版の他、毎年のように、バフェットからの手紙で論じられてきたテーマである。

例えば、スーパーできゅうりが1本10円で売られていれば安いといえるであろうし、300円ならかなり高い。レクサスの最高仕様の新車が100万円で手に入るのなら安いし、3000万円だとちょっと高いかもしれない。

このように、一般的には「価値」と「価格」は強くリンクするし、人々も評価がシビアだ。ところが、株式市場ではきゅうり1本に10万円の値段をつけるのと同じようなことがしばしばおこる。

 

例えば、トヨタ自動車の株価が安いのかを論じるときに、去年いくらであったのかなどということは全く関係ない。バフェットのやり方は、M&Aで企業を買収するときと同じように「会社全体の適正な価格」を算出する。いわゆる「適正買収価格」である。

この会社全体の価格を発行済み株式数で割ったものが、(トヨタ自動車)の株式の適正価格である。しかし、バフェットは、この「適正株価」では購入しない。師匠のベンジャミン・グレアムから教わった「安全余裕率」を差し引いた「激安価格」でしか買わないのだ。

この「適正価格」=「本質的価値」がわかりさえすれば、「投資は成功したも同然」とバフェットは述べている。