1ヵ月の収入「1万円」からのスタート

とはいえ修行は厳しい。友達に頼まれて、1レッスン1500円で仕事をして、そこから交通費などの諸経費を抜いたら、儲けはゼロ。レッスンのあと、受講してくれた友達に「お茶でもしよう」と誘われると、お茶代イコール赤字という状態に泣いた。1カ月のレッスン収入が1万円、多くて3万円という日々が、なんと1年近く続いたのだ。実家暮らしだったから家賃はかからないけれど、自分の中のけじめとして、毎月の食費は必ず入れる。当然、毎月大赤字で、540万円の貯金はどんどん減っていく。

しかし1年過ぎた頃、スポーツジムのインストラクターのオーディションに受かるようになり、少しずつ仕事が増えていった。2、3年が過ぎ、財形貯蓄が底を突きかけた頃、数カ所のスポーツジムで月に40本ほどのレッスンを持ち、月収15万円ほどを稼ぐヨガ教師になっていた。まだ収入は十分ではないけれど、ひとまずは夢が叶ったのである。

自分がやって救われたこと、好きなことを生業とできた喜びは幸福感につながる Photo by iStock 

株価がもとに戻っていた!

次の目標は収入のアップだ。自宅の一室をヨガ教室にしたらどうか、と親が提案してくれたので、ひな子さんは手持ち資金50万円に加えて、兄から50万円を借り、ヨガレッスンのできるサロンに改装した。移動時間が節約できるし、レッスン代は全額収入になる。スポーツジムでの仕事の他、ここで月に約20レッスンを行って、月収30万円を超すようになった。兄からの借金も完済できたし、プロのヨガインストラクターとしてひとつのステージをクリアしたのだ。

その頃、実家に顔を出した兄が「ファンドの積立はどうなってる?」と聞いてきた。ヨガの仕事に熱中していたから、投資のことはすっかり忘れていたひな子さん。そういえば、あれはどうなったんだろうと久しぶりに確認すると、半額になっていたトヨタ株の値段が戻っていた。さわかみファンドの評価額も10万円単位でプラスになり、思ったより増えている。ホッとひと安心するのと同時に、長期投資とはこういうものなのか、とひな子さんは気がついた。価格が落ちるときもあるけれど、時間をかければ戻ってくるものなのだ。