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# 韓国

新型コロナの猛威で「韓国株&ウォン売り」にいよいよ火が着く

外国人投資家たちの不穏な動き

2月半ばに入り、韓国株やウォンを手放す外国人投資家が増えつつある。

その背景には、韓国の景気先行き懸念の高まりがある。

中国での新型肺炎の感染拡大は、韓国経済を支えてきた輸出関連企業の事業に大きな衝撃を与えている。

それに伴い、企業業績の落ち込み懸念から韓国の所得・雇用環境への不安も高まりつつある。

それに加えて、韓国は米中の通商摩擦などにも対応しなければならない。

ここから先、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、いかにして経済を安定させることができるか楽観は許されない。

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文政権は財政出動を通して目先の景気を支えようとしているが、経済の不安定化を懸念する市場参加者は増えている。

文政権は正念場を迎えている。

 

高まる資金流出への懸念

中国の新型肺炎の感染拡大は、明らかに韓国経済の先行き懸念を高めている。

その一つの例は、資金流出への懸念が高まっていることがある。

ここへ来て中国では企業の操業度が低下している。

自動車業界などでは一部で生産が再開されたが、通常のレベルには程遠い。

それは、中国の中小企業などの資金繰り、さらには失業増加に直結する深刻な事態だといえる。

韓国にとって中国は最大の輸出先だ。

対中輸出が停滞し始めると、韓国企業の資金繰りは悪化し、景気の減速懸念は高まるだろう。

欧米の大手金融機関が拠点を置き、アジア各国の中でも高い流動性を誇るシンガポールの金融市場でさえ、肺炎の影響から大手金融機関のリスク許容度が低下し、流通市場における債券などの取引が落ち込んでいる。

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その上、大手の投資ファンドなどが新興国通貨の買い持ちポジションを削減し始めた。

一方、米国経済はそれなりの落ち着きを維持している。

リスクの高い通貨を保有するよりも、より安定が見込めるドルを選好する投資家心理が高まったといってよい。

その動きが徐々に主要国通貨にも浸透し、キャリートレードの増加から円安が進んだとみられる。

この中で、韓国ウォンは、先行きのリスクが警戒される通貨のグループにカテゴライズされているだろう。

リーマンショック時など、韓国は自国の経済運営に必要なドルを自力で調達できなくなった。

慢性的かつ潜在的なドル不足を抱えると考えられる韓国にとって、アジア市場からの資金流出は無視できない変化だ。

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