「立ち歩きのリーダー」だった

しかしながら、ヤツは非常に変わった子どもだった。
「座っているより、立っているほうが気持ちがいいんだよ」と主張した。低学年のころはいわゆる「立ち歩きグループ」のリーダーで、クラスが学級崩壊の様相をきたせば常に主犯格として名が挙がった。

うまく言葉が出ないためか、けんかすればすぐに手が出る。学校から呼び出され、よく被害者宅に謝罪に行った。
「A(息子)ちゃんに股間を蹴られたと言ってずっと泣いているの。病院に行った方がいいかしら?」と取材中に電話が来たこともあった。帰りにメロンを買い、息子の首根っこを摑まえて謝りに行くと「ああ、あのあとすぐ泣き止んだわ」と言われたりした。

忘れ物は日常茶飯事お知らせプリントはランドセルの地底深くに沈み、お便り帳には担任から赤いマジックで「今日の忘れ物。リコーダー、算数ドリル、絵具」といつも書かれていた。

ランドセルの底深くに沈んだお知らせプリントに悩む親は多いはず(写真の人物と本文は関係ありません)Photo by iStock

母親である私は「なんでこの子はちゃんとできないんだろう」と情けなかった。自分がもっとかかわらなければと焦った。息子を叱りまくり、叩いたことだってある。虐待まがいの子育てだった。