受験をして「それ知ってる」
という子どもへの対応

6年生は、受験する、しないにかかわらず、気持ちが不安定になる学年だと僕は思っています。自我も強くなり、前思春期に突入する。同時に、中学受験という未知の世界に遭遇します。また、受験はしなくても塾に通う子は他学年より多くなります。

塾は、算数をはじめ教科書の先取り学習をしています。なかには、授業内容も濃く「塾のほうが面白い」と言う子も出てきます。「もう習ってるし」「それ、知ってる」と授業に身の入らない子もいます。答えを知っていれば、先生より先に言いたいと思うのは自然なこと。なので、つい先に答えを言ってしまうことがあります。

一生懸命勉強したら、それを言いたくなるのは自然なこと。むしろその「言いたい」をうまく生かしていけばいい Photo by iStock

先生からすると、「みんなは習っていないのだから、答えを言うのはやめてね」と言いたくなる気持ちはわかります。ただ、それではその子たちから学ぶ意欲を削いでしまいます。最終的な目的は子どもたちが理解してくれればいいわけですから、伸び伸びとした子どもの発言を生かしてあげればいいと思います。

僕は、そういう子を「博士キャラ」にしてきました。なんでもよく知っている「博士クン」。理科であれば「では、博士、この実験について細心の注意を払うポイントを教えてください」などと答えを求めます。教室では、子どもから教わったほうが、教師が言うよりはどんなことでもより浸透します。僕はそのことを肌で感じてきました。

答えだけでなく、先生が子どもたちに出す問題を博士たちに考えてもらってもいいでしょう。先生の代わりに授業ができるくらい頑張ってもらいます。ほかの子に教えられるということは、それなりの力が求められます。「なかなか解けない問題を作ってみて!」と依頼します。