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ライター・北尾トロが明かす、腹から笑える「爆笑本」の見つけ方

わが人生最高の10冊

面白さは色あせない

今回の10冊はあまり深く考えず、ぱっと頭に浮かんだ本を挙げました。

麻雀放浪記』は大学に入って一人暮らしを始めた20歳のときに読みました。僕の物書きとしての原点となる作品です。

終戦直後、上野のドヤ街で博打うちの闘いが繰り広げられるという特殊な世界の話なのですが、当時の風俗や人間同士の精神的葛藤が見事に描かれている。

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麻雀の牌姿を文中に入れ込むのも画期的で、4冊の文庫本を、時を忘れてむさぼるように読みました。こんなに面白い小説があるのかと心が震えるほどでした。

その後、『怪しい来客簿』や『狂人日記』など色川武大作品も読みましたが、『麻雀放浪記』のような衝撃はなかった。そこで思ったのは、やっぱりエンタメが最強だということ。何か書くのであれば、こういうものを書きたいと思いましたね。

今でも時々読み返します。面白さは色褪せないどころか、これ以上のエンタメ小説に僕は未だに出会っていません。

どくとるマンボウ航海記』は中学1年生のときに初めて買った文庫本です。夏休みの課題で感想文を書くことになり、一冊は山本有三の『路傍の石』と決まっていて、もう一冊は自由に選ぶことができた。