制度はあっても使わせてもらえない
限定的テレワークの無意味

テレワークを導入している企業でも「上司から子供の体調不良など緊急時以外はテレワークはだめと言われた」「必ず朝会へ参加しろと言われているので毎日出社することが前提」といった、制度はあっても職場ではほとんど使われていないケースが多く存在します。これまでのマネジメント方法から脱却できず、テレワークを使う社員へ疑心暗鬼になりながらもとりあえず制度だけは入れてみた、という会社の姿が浮かんできます。

ちなみに「育児中の社員のみテレワーク可能」としている会社も多いのですが、それではテレワークのメリットは半減です。本来の目的である生産性向上のためには、日常的かつ社員全般に使われていることが前提だと思うからです。テレワークと業績向上を両立させるためには、個人の目標を明確にすることや、属人的な仕事の進め方を廃止してシステム化するなど、これまでの日本企業のやり方を根本的に見直す必要があります。それなのに福利厚生的なワーキングマザーの離職率防止、といった狭い目的で使おうとすると、テレワークを使うことで「仕事の成果がよく分からず評価ができない」「周りの社員に負担をかけている」などと言われ、ワーキングマザーが他社員からお荷物扱いされ、結局退職に至るという道をたどることになります。

保育園の送り迎えに出勤時間が加わることを考えると、天気が良くても洗濯なんてできない。でも洗濯しながらやることをやればいい、となると俄然楽になる。ただし、そういう時間のやりくりは「働くママ」のためだけに必要だとはいえないはずだ Photo by iStock

テレワークをうまく実行するコツは?

弊社では基本的に社員全員がテレワークで働いています。社員と言っても4人しかいませんが、自宅または家の近くのコワーキングオフィスを契約し、全員が集まるのは週1回程度です。企業が導入をためらう「コミュニケーションの壁」について私自身も試行錯誤しながら取り組んでいますので、仕事を進めるうえで普段気を付けている我が社のリモートワーク術をお伝えしたいと思います。

1)「ちょこちょこ連絡」

仕事でのコミュニケーションのポイント、基本はやっぱり報連相です。特にテレワークではお互いの状況が分かりづらいので、納期ぎりぎりになって相談がきて慌てて対応といった事態も発生します。そうならないように、社内でこまめに連絡を取るための仕組みと信頼関係を意識しています。仕組みでいうと最初に取り組むのはコミュニケーションツールの導入。SlackやChatworkというチャットツールを使っている会社が多いようですが、それらを知らない方もLINEをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。

連絡がメールだけだとパソコンを立ち上げて、件名と宛先を入力して、さらにはCCに誰を入れるか思案して、○○さん、おつかれさまです。とあいさつ文を入れてようやく本文を書き始めます。これがチャットなら相手を選んで要件を連絡するだけ。無駄な挨拶もなく文章を作りこむ必要はありません。1回の連絡が劇的にラクになるのでその分飛び交うボールが増えてお互いの状況が分かりやすくなります。

もう一つ重要なのは信頼関係を作ること。顔が見えない分、普段から小さなことでも相談して大丈夫という雰囲気づくりをしています。会議の前には雑談から入る、WEB会議は顔を写す、チャットでくだらない話もどんどん投げる。弊社は全員子育て中という共通点があるので、お互い子供の成長も共有しています。そんな小さなことが離れていても円滑なコミュニケーションにつながっているのだと思っています。