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前代未聞の感染力…「新型肺炎パニック」海外メディアはこう報じた

検疫は失敗だった、のか?

全世界に発信された「告発」

2月5日から2週間のあいだ横浜港に停泊してから隔離状態であった豪華客船ダイヤモンドプリンセス号の船内を視察した神戸大学感染症内科教授の岩田健太郎氏は、YouTubeで船内の感染対策の不備を訴えた。20分あまりの動画は感染症の専門医の証言として切実なもので、「告発」ともいえるものであった。

英語でも発表された動画では、通常、感染地域で区分けされる安全区域(グリーンゾーン)と危険区域の(レッドゾーン)のゾーニング(区域管理)についてもあいまいで、感染者が医務室に行くときは普通に船内を歩いて健康者とすれちがっていた状況なども指摘され、「むちゃくちゃな状態」であったとの訴えであった。

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ドイツ在住の筆者も複数の知人から動画のリンクが送られてきたので視聴した。ところがわずか1日あまりで100万回以上も再生された動画は20日、岩田氏によって削除された。

東京の日本外国人特派員協会(FCCJ)でネットのオンライン・インタビューを受けた岩田氏は動画削除の理由について「船内の感染管理の環境が大きく改善されたと聞いている。検疫の経過についても情報も公開され、私が投稿した動画の役割は達成された」とあった。

岩田氏は、他者への感染の可能性を考慮し、2週間、自らを「検疫」しているという。

わずか一日で岩田氏の「180度の転向」が、あまりに早く不自然と感じたのは筆者だけではないだろう。岩田氏の訴えは、国境を越えて感染するおそれのあるウイルスに対し、日本のみならず、全世界に対して、感染への予防対策の改善を促すことを求めているように感じられた。