飲食に限らず「街づくり」をしたい

大久保さんが会社を辞めたのは、食のプロとして、飲食店のみならず、様々なプロの人たちと一緒にできるような仕事がしたいと考えたからだ。

「11年間、チェーン店の『儲かる』仕組みをつくってきて、それはもうやり切ったと思いました。独立して個人店もいつかは手がけたいと思っていましたが、それもまず物件が見つかることが大切で、それからその場所に合ったブランドを考えるという順番でお店をつくりたかったんです」

撮影/杉山和行

独立してしばらくはコンサルテーションの仕事を中心に行う予定で、出会いを待つつもりだったが、思いがけず早々に魅力的なこの場所が見つかる。フランス料理屋が退いてから1年経つのに、様々なしがらみから、なかなか後が決まらないということだった。100件以上もの申し込みがあったのに、全部弾かれていたという。

「なぜ新橋のこの地なのか、ここで何をやりたいのか。プレゼンテーション資料には力を入れました」(大久保さん)

新橋という地に根ざした店づくりがしたいという真っ直ぐな思いが通じ、あっという間に契約成立。スピーディに事が運んだ。

新橋・烏森神社から徒歩数秒程度の距離だ 撮影/杉山和行
「烏森百薬」の2階はなんとセルフサービス。ユーモラスな張り紙が。「お酒を楽しむ場所」に徹底している 撮影/杉山和行