「育休は休みじゃない」小泉発言が示した、日本政治のいびつな構造

「中高年男性」の考えに偏った議会
髙崎 順子 プロフィール

「育休は休みじゃない」に、なぜ騒ぐ?

そんな希望が垣間見えた一方、頭を抱えるような発見もあった。1月29日の「いわゆる育休」中、参院予算委員会に復帰した小泉大臣自身の、以下の答弁がきっかけだ。

育休、取ってよかったです。世のお母さんはすごいなと心から感じます。育児に参加して思うのは、育児休業という「休む」という言葉が入っていますが、ぜんぜん休みなんかじゃないですね。日本の育休制度は世界的に見てもかなり整えられているが、取得が進まないの(理由)は空気だと言われている。育休への理解を高める必要がある。子どもを育てる大仕事をやっている理解をさらに広げていきたい。(2020年1月29日参院予算委員会/自民党・藤井基之議員による父親育休取得推進に関する質疑への回答/筆者要約)

二人の子を持つ母親として、大臣の発言自体にはうなずくしかない。生活リズムの定まらない新生児の世話は、親にとっては24時間絶え間なく続く、精神・肉体両面でハードな活動だ。ゆったり「休む」暇はなく、それどころか、自身の排泄や食事など最低限の生命維持活動すらままならない期間である。

そしてわざわざ言うのも馬鹿らしいが、育休期間の「休」が意味するのは「仕事を休業すること」で、その間に家庭で育児をするからこそ、雇用主に認められているものだ。

読んで字のごとく、育児をするための休業が「育児休業」である。

しかし、その認識が社会全体で共有されていない実態を、小泉発言は改めて浮き彫りにした。育休は休みではない、大仕事をやっている理解を広げて行きたい……それを明言するということはつまり、育休をとった人は「ゆったりと休んで」おり、「『大仕事』をやっていない」と考える空気が、頑なに現存するということだ。

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