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「育休は休みじゃない」小泉発言が示した、日本政治のいびつな構造

「中高年男性」の考えに偏った議会

小泉発言の波紋

2020年1月。小泉進次郎環境大臣が、第1子誕生に際して育児休業を取得した。政治家や閣僚には育休の制度自体がないため、「いわゆる育休」と留保しつつ、3ヶ月の間に不連続で2週間、テレワークやビデオ会議を取り入れながら家庭で育児をするという。その賛否は妻君の妊娠が公表された時から世論を騒がせ、取得開始の報は海外メディアでも多く取り上げられた。

かくいう筆者も子育て環境関連の情報を発信するライターとして、在住国のフランスからことの次第を注視し、小泉氏の育休取得を願っていた。母親に育児負担が偏りがちで子育てのハードルが高い日本の現状改善には、父親育休の普及が必須で、そのために当件が大きなカギになると思っていたからだ。

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日本の父親育休は国の制度として存在しているが、取得率は6.16%と非常に低い。そして取得しなかった理由として、「会社で育休制度が整備されていなかった(27.5%)」「職場が取得しづらい雰囲気だった(25.4%)」などが挙げられている(出典:令和30年厚労省報告)。職場で育休制度が「ないもの」、もしくは「取らないほうがいいもの」とされてしまっている状態だ。

その認識や感覚を変えて行くために、現役閣僚の取得ほどインパクトのある前例はそうそう現れないだろう。実現すれば必ず、官民問わず多くの人々の育休取得を後押しするに違いない、そう確信していたからだ。

そして実際に取得に至った、今。この育休騒動が表面化させた諸々の事態に、筆者は拍手を送ると同時に頭を抱えてもいる。喜ばしい変化と同時に、根深い停滞も明るみに出てしまったためだ。