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日本は「ダイヤモンド・プリンセス号の失敗」をきっとまた繰り返す

もしも難民が大挙してやってきたら…

まさに「コロナ難民」

イタリアのマッテオ・サルヴィーニ前内相が訴えられるという。訴因は、彼が内相だった昨年と一昨年に、難民をどっさり積んだNGO船をイタリアに入れなかった事件に絡む。当時、そのためにNGO船が行き場を失って地中海で漂流。それが人道無視だとして、EUでスキャンダルとなった。

 

この話を聞くと、横浜沖に停泊している「ダイヤモンド・プリンセス号」を思わずにはいられない。D・プリンセス号の乗客は不法難民ではなく、れっきとした各国の市民だし、その他、あらゆる状況は異なるが、ただ一つ、船が入港できずに波間で漂っていたところは同じだ。そして、船内が刻一刻とのっぴきならぬ事態になっていった現実も。

日本側は検疫法に則って粛々と検疫を行っていたつもりかもしれないが、他にやり方はなかったのか。感染症に対応できない閉鎖空間に3700人を閉じ込めていれば、時間の経過に伴って船の中で感染がどんどん広がっていくだろうことは、素人にも想像できた。そして、現実に、これら不適切と思われる対応が、乗客乗員を危険に晒し続けた。

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そもそも、全員にウイルス検査をしなければ入国許可を出してはいけないなどとは、法律のどこにも書いていない。隔離や検査は、上陸してからなら、もっと安全な状況でできたはずだ。

そのうえ、14日が過ぎても、ウイルス検査は3700人のうち、1000人ほどが済んだだけだった。しかも、検疫官までが感染したとは、先進国とは思えない杜撰さだ。そして、これらの様子が、世界中で報道されている。

D・プリンセス号は、船籍は英国で、米国のプリンセス・クルーズという会社が運用している。だから、ここで起こっていることの責任は、船主、および、米国のプリンセス・クルーズという海運会社にあり、日本は、D・プリンセスの乗客を受け入れる義務などないのだという声さえあった。しかし、乗客のうち1285人は日本人だ。日本が日本人を見捨てどうする!?

それにしても、乗客の不安はいかばかりだったか。狭い船室に閉じ込められたストレス、誰が感染しているのかも、何が汚染されているのかもわからない恐怖。しかも、中にいた人の発信したメッセージによれば、少なくとも最初のうちは、乗務員が未だに乗務員として接客をしていたという。信じられない話だ。

 

しかし、乗務員もそのうち、次から次へと感染していった。このツアーを販売した米国の会社は、いったい何をしていたのだろう。

とくに気の毒なのは日本人の乗客だった。横浜に居ながら自分の国に入国させてもらえない。いったいどんな気持ちだろうかと想像に余りある。しかし、日本政府は、なぜ、日本人だけでも早々に下船させなかったのか。これではまさに「コロナ難民」だ。

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