『8時だョ!全員集合』黄金期の裏番『キカイダー』の今なお残る鮮烈さ

ハワイに定期的にファンが集う
高堀 冬彦 プロフィール

今も忘れがたい

視聴率はどうだったかというと、『人造人間キカイダー』は最高15%以上。大健闘だった。『デビルマン』も10%以上を得た。『全員集合』にはおよばなかったものの、NETの挑戦は成功したのだ。

見た側も忘れがたいようで、2014年にはキカイダーを原点とする映画『キカイダー REBOOT』が公開された。『デビルマン』のほうも『AMON デビルマン黙示録』(2000年)などのOVA(オリジナルビデオアニメ)が相次いで制作されている。

『キカイダー REBOOT』
 

NETは視聴者が驚く仕掛けが得意で、テレビ朝日に社名変更した後には、1980年のモスクワ五輪の独占放送権を獲得した。NHKをはじめ、他局は驚天動地だった。五輪を一民放が単独放送するなど常識外れだった。テレ朝が用意した契約金は20億円だったとされる。

もっとも、結末は日本を含めた西側諸国のボイコットだったのは知られている通り。開催国・旧ソ連によるアフガニスタン侵攻への抗議だった。テレ朝は五輪の放送総時間を当初計画の206時間から44時間へと大幅に短縮。それでもスポンサー集めに苦労した。快挙は一転、大失敗になってしまった。

とはいえ、もしもボイコットがなかったら・・・。五輪放送がジャンピングボードとなり、テレ朝はもっと早く有力局になっていたかもしれない。

テレビ界が元気を取り戻すためには、他局や視聴者が驚くような編成や番組作りをもっと用意すべきなのではないか。テレビの青春期のように。