昭和の子どもたちのファンションリーダー

ちなみに、「ナルちゃん」というのは、お名前の「なるひと」から名付けられた幼少期の愛称だ。

私は陛下より少し年下だが、子どものころ、ニュースでよく皇太子一家のおでかけ映像を見ていたのを覚えている。
幼き日の陛下は、「浩宮さま」「ナルちゃん」と呼ばれて親しまれ、その成長を国民が楽しみに見守っていたのだ。

そういえば、陛下がおでかけの時によく持っていらしたバスケットと同じものを、私も幼稚園バッグとして愛用していた。
昭和30年~40年代、おしゃれな美智子さまは、同世代の女性たちの憧れだったそうだが、もしかすると「ナルちゃん」は、当時の子どもたちのファッションリーダーだったのかもしれない。

陛下は、4歳で学習院幼稚園にご入園。
「他の子どもたちと同じ教育を受けさせたい」というご両親の意向だったが、幼稚園に通われたのも、皇族で初めてだったそうだ。

1966年2月、学習院幼稚園にて。皇族で初めて「幼稚園」に通われた 写真提供/宮内庁

その後、初等科から大学院まで、一貫して学習院で学ばれることに。
初等科時代は野球に熱中し、多少のやんちゃやいたずらをしながらも、誰にでもわけへだてなく接し、思いやりのある穏やかなお子さまだったという。

学習院初等科の運動会にて。運動神経抜群 Photo by Getty Images

しかし、普通の学校生活を送る一方で、陛下は常に間近でご両親のご公務を見ていた。そして、週に一度、当時の天皇陛下と食事を共にされていたそうだ。
祖父である昭和天皇のお話を伺い、一挙手一投足を目に焼き付けることが、何よりの「帝王学」教育だったのではないだろうか。

学習院初等科2年生のときに、一ツ木商店街の八百屋でのお買い物。「普通の子どもたちと同じように学ばせたい」それが美智子さまの願いだった 写真提供/宮内庁