『パラサイト』のポン・ジュノ監督〔PHOTO〕Gettyimages

『パラサイト』で話題の「韓国の経済格差」、実は日本も同じ程度です…

数字でキチンと比較をしてみると

「格差がすごい」と言われるが…

今年のアカデミー賞では、韓国の映画『パラサイト 半地下の住人』が作品賞など4部門で受賞し、この映画が描いた韓国における格差に改めて注目が集まっている。

ソウルで行われた『パラサイト』の記者会見〔PHOTO〕Gettyimages

この映画が上映される前から日本では、韓国は受験、就職、昇進の際の競争が日本以上に厳しく、脱落すると低賃金を余儀なくされるなどといった印象を持たれ、所得格差が大きい国と考えられてきた。

さらに今回の映画で、日本では馴染みが薄い半地下住宅に住むことの大変さが広まったことなどから、韓国は所得格差が深刻な国というイメージを持った人は少なくないのではないだろうか。

 

ただし一国の所得格差について評価する際には、一部の事例を見るだけでは不十分であることはいうまでもない。全世帯の所得を把握したうえで格差の程度を示す指標を準備しなければならない。

しかし、実際には全世帯の所得を把握することは困難である。そこで、一般的には一部のサンプルを用いて行う「標本調査」が活用される。具体的には、ランダムにサンプルを取り出す「無作為抽出」という手法で選んだ世帯に所得などの情報を提供してもらい、これから母集団、すなわち全世帯の所得分布が推計されている。韓国でもこの方法で全世帯の所得分布が推計されている。

また所得格差を測るための尺度としてはジニ係数を使うことが一般的である。ジニ係数はゼロから1までの値をとり、0に近づくほど平等で、1に近づくほど不平等なことを意味する。

以下では世帯所得のジニ係数を使って韓国の所得格差を国際比較してみよう。