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年6万人が犠牲に…恐怖の「心臓性突然死」を防ぐ5つの方法

専門医が教えます

昨日まで元気に働いていた人の心臓が、突然何の前触れもなく止まってしまう――。「心臓性突然死」は決してまれなことではなく、日本でも年間6万人が命を落としているという。

前回は心臓性突然死の仕組みと実例を紹介した。今回は、さらなる実例に加え、その予防法をお伝えする。35年近く第一線の心臓専門医として多くの患者を診てきた横浜みなと心臓クリニックの沖重薫院長が語る。

(取材・文/伊藤和弘)

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同期の心臓専門医が50代で突然死

Eくんは私と同じ心臓専門医で、大学の同期でした。6年前ですから58歳のとき、突然死したんです。亡くなったときは故郷の沖縄の病院で働いていて、奥さんと当時28歳の一人娘がいました。

昔から私と仲が良かったし、半年ほど前に学会で会ったばかりだったので、私もたいへんショックでしたよ。同期で同じ心臓専門医のEくんがよりによって心臓性突然死とは……。本当に耳を疑いました。

 

その夜、Eくんはいくらか深酒をしたようです。それでも特に泥酔したわけでもなく、ごく普通に家に帰ってきた。そのまま床に入り、朝になったら冷たくなっていたそうです。病理解剖しましたが、心筋梗塞もなく、前回の記事でご紹介したDさんと同じく原因不明の「特発性心室細動」でした。

お気づきだと思いますが、心臓性突然死は発作を起こしたときにバイスタンダー(傍観者)がいるかいないかで大きく患者さんの運命が変わります。ひとりでいるときに意識を失ったら救急車を呼ぶこともできず、そのまま亡くなってしまうでしょう。倒れたとき、近くに同僚や家族がいた例は本当にラッキーだったと思います。