「ペイペイの毒」に潰されたキャッシュレス企業…その残酷すぎる末路

「オリガミ身売り騒動」が意味するもの
岩田 昭男 プロフィール

孫社長のしたたかな計算

結局、ペイペイに追随し、無理を重ねたLINEは大きな赤字を背負い込むことになる。2019年1月~9月期の決算で営業損益は275億円の赤字だった。LINEの親会社である韓国のIT企業・ネイバーは、LINEの赤字を受けて売却を決定。三下り半を突きつけるという格好になった。

そのLINEが駆け込んだのが、ソフトバンクグループを率いる孫正義社長だ。孫社長にしてみれば「しめしめ」といったところだろう。ペイペイとLINEペイは、QRコード決済サービス業界の1位と2位。つまり、ソフトバンクグループは業界のビッグ2を抱えることになったわけだ。

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ペイペイを提供するヤフーとLINEの経営統合が昨年11月に発表されたとき、LINEペイはいずれペイペイに食われてなくなると予想されていた。しかし蓋を開けてみると、そのまま吸収というわけではなく、コミュニケーションアプリからの派生点や女性会員が多いというLINEペイの特徴を生かす形で、今のところ共存する形をとっている。

ライバルを潰し、それを取り込んで、さらに再生して上手に使う。ヤフーとLINEの統合のウラには、こうした動きが見て取れた、では、今回のメルカリによるオリガミ買収も同じことが言えるのだろうか。

 

オリガミがQRコード決済サービス企業であるのに対し、メルカリはフリマアプリが本業で、言ってみれば出自がまったく異なる。だからこそ、ペイペイとLINEペイと同じように2つが共存するのかと思ったが、どうやらそうではないようだ。

というのも、メルカリの目的は会員ではなく、オリガミペイの加盟店が欲しかっただけなのだ。