サラリーマン消滅時代、日本で「低スキル・低賃金」の人が急増する!

二極化がすごいことになってきた
中原 圭介 プロフィール

無駄な予算を人材投資へ

当然のことながら、生産性の改善があまり見込めない業種があるというのも、厳しい現実です。

サービス業で低賃金が常態化している仕事のなかには、取り立ててスキルを必要としないものが多いからです。

そのことは、ひとたび低スキル・低賃金の仕事に従事すると、スキルアップの機会が与えられることはなく、低スキル・低賃金が固定化してしまうという現実を示しています。日本の生産性を何としても引き上げたいのであれば、私は「最低賃金を大幅に引き上げ続ける」よりも、むしろ低賃金・低スキルの人々のスキルアップを支援するほうがずっと効果的な政策であると考えています。

2020年度の予算案では、公共事業関係費は6兆8571億円となり、10年ぶりの規模に拡大した2019年度予算(6兆596億円)を13%も上回っています。国土強靭化のための「臨時・特別の措置」7902億円を含めると総額で7兆6473億円にもなりますが、公共事業費を使い切れない案件が相次ぎ、2019年度の予算では2018年度からの繰り越しが3.2兆円にも達しているということです。

〔photo〕iStock

使い切れない予算を計上するのをやめて、そのうち1兆円だけでも恒常的に人材のスキルアップ支援に回すことができれば、すべての低スキルの人々にスキルアップの機会を与えることができるはずです。

2020年度の予算案では、就職氷河期世代への支援に199億円を計上しているとはいうものの、就職氷河期世代だけではなく、低スキルゆえに低賃金に甘んじているすべての世代を対象に、手厚い支援を行うべきです。

 

このままの現状を放置して深刻な格差社会になるよりは、人材教育の底上げによって格差の拡大を回避していくと同時に、就業者全体の収入も上げていくという前向きな政策のほうが、大多数の国民が賛成してくれるのではないでしょうか。