サラリーマン消滅時代、日本で「低スキル・低賃金」の人が急増する!

二極化がすごいことになってきた
中原 圭介 プロフィール

「おもてなし」が抱える負の側面

サービス業全体の生産性を大幅に引き上げるなどという、魔法の杖的な政策は決して存在していません。それでも業種によっては、生産性をある程度引き上げる方法がないわけではありません。

たとえば、コンビニエンスストアやファミリーレストランでは、「24時間・年中無休」というモデルを改めようとする動きが進んでいます。赤字になりがちな夜間に店を閉めるというのは、収益や生産性を上げるための有効な選択肢となるはずです。

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また、前回の記事(『日本人の生産性が低いのは、「日本人そのもの」が原因だった…!』)でも申し上げたように宅配便では、荷物をアメリカと同様に玄関や軒先などに置く「置き配」が一般的になれば、宅配便の生産性は2割程度引き上げることができます。アマゾンは2020年の春にも、希望者に対して置き配を全国展開する予定だといいます。

日本の生産性がアメリカやドイツなどに大きく劣る主因は、現場の負担の大きさが尋常ではないにもかかわらず、サービスの対価がほとんど上昇していないということにあります。

この主因を私は日本人がサービスに対して対価を求めたり、支払ったりするという価値観が希薄であることだと考えています。つまり「おもてなしの精神」です。

 

アメリカなどのチップ社会では、ウエイターやホテルのルームメーカーなどのサービスに対して「チップ」を渡すなど、サービスの対価に対する意識が高いのですが、日本には「おもてなし」が当然だとして、これに感謝の気持ちを伝えこそすれ、対価を支払うことは敬遠されています。

サービスの対価の主たる部分が人件費であることを考えれば、この日本人の価値観との兼ね合いのために、人が生み出す付加価値が今まで増えてこなかったのが、日本の生産性が劣っているという本質であるのです。