サラリーマン消滅時代、日本で「低スキル・低賃金」の人が急増する!

二極化がすごいことになってきた
中原 圭介 プロフィール

アメリカの「二極化」が凄いことになっている

たとえばアメリカでは、雇用者全体に占める製造業の割合はピークだった1940年代の40%弱から、近年ではその4分の1に近い10%程度にまで減少しています。

その一方で、生産性が低いサービス業(卸売・小売・飲食・宿泊・運輸・倉庫など)の割合は28%程度まで高まってきたのです。

〔photo〕iStock

それでも1990年代はIT革命が起爆剤となり、IT産業がアメリカ全体の生産性を牽引することができました。ところが2000年以降では、IT産業の生産性が大きく上昇するかたわらで、IT以外の産業の生産性はまったくといってよいほど上がらなくなったのです。

アメリカではそれに加えて、2010年代にデジタル革命のもとでGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)が巨大化したことによって、IT・AI関連など少数の高スキル職と小売・飲食など多数の低スキル職の双方が増加するのとは対照的に、製造・事務など中スキル職の雇用が大幅に減少してしまいました。

新しいイノベーションによって、中間層の人々の雇用が減少し、労働市場の二極化が進行したのです。

 

そうはいっても、アメリカをはじめ先進国では失業率が下がっていて、今のところ仕事が不足しているという兆候は見られません。ただし経済的にも社会的にも問題なのは、小売、飲食、運輸、介護、清掃、警備など、高いスキルを必要としない仕事の割合が増えているということです。

低いスキルしか持っていないがゆえにできる仕事は、長年にわたって従事してもスキルを高めるのが難しく、生涯を通して賃金の上昇が期待しづらい状況にあります。現在進行しているデジタル化の波が、このような傾向をエスカレートさせるのは疑う余地がなく、格差がいっそう拡大していくことが懸念されています。