2020年は「賃金と生産性」をキーワードとしたい。私にはそんな思いがあります。
生産性をアップさせることは賃金の上昇につながりますが、今の日本の生産性はこのままでは下がってしまう。それはひとえに賃金にもマイナスの影響を与えかねません。こんな危機感を皆さんと共有したいと思います。
そもそも、なぜ日本は生産性が下がっていくといえるのでしょうか。
先進国全体でみると、経済成長の伸びは明らかに縮小していきます。社会が農業・工業中心の経済からサービス中心の経済へと移行するにしたがって、生産性が低下していくのは避けられないからです。
農業や工業は機械化によって、大規模化や大量生産が可能となり、生産性を飛躍的に向上させることができました。
ところが、サービス業で大半を占める卸売・小売・宿泊・飲食・運輸・倉庫などの業種では、たとえ一部を機械化できたとしても、生産性を大幅に上昇させることは不可能です。
昨今の先進国における生産性の伸び悩みは、国民がある程度は豊かになった証拠であり、その結果としてサービス経済への移行が進むことで生じる代償と捉えなければならないでしょう。