「長蛇の列」になるまで

それにしても「西新宿の母」と言えば「長蛇の列」で知られたのだが、そうなった発端はあったのだろうか。

「それは娘がきっかけなんですよ」と真如さん。中学生だった娘は、ある日塾の帰りに新宿で占いをする母の元に寄ったという。まだ行列には程遠い状況に真如さんが「私は、お外は合わないのかな」と娘に愚痴をこぼした。すると娘は「お母さんは、行列ができるようになります」と言い切ったのだ。

「実は、娘は私の仕事の様子をこっそりと見ていたんですね」

彼女は母にこう言った。

「お母さんが診たお客様はみんな深々とお辞儀をなさるわよ。それに鑑定が終わったお客さんの後をつけて行くと『すごかったよね』と興奮して友達同士で話すのを聞いた。だから、お母さんはこのまま続けて。そのままで大丈夫よ。1年待てばきっと、デパートやショッピングセンターのように行列ができるようになります。間違いありません」

キッパリと言った娘の言葉通り、真如さんの前に並ぶ行列は日を追うごとに長くなり、仕舞いには歩道の向こうにも行列が続くほどになったのだ。

そんな母を支えた娘は、その後アメリカの大学に留学し、現在ではニューヨークの大手企業でバリバリ働いている。