こじはる絶好調、水嶋ヒロは大苦戦?「芸能人ビジネス」の新潮流

なぜ「D2C」に参入するのか?
竹内 謙礼 プロフィール

ちなみに2020年2月現在の小嶋陽菜のインスタグラムのフォロワー数は255万人。対してテレビCMでもお馴染みの通販雑誌「通販生活」の発行部数は、求人サイトの情報によると115万部。比べること自体がナンセンスだが、小嶋陽菜のD2Cが通販会社並みの販促力があるということは、この数字からも理解していただけると思う。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

小嶋陽菜(@nyanchan22)がシェアした投稿 -

小嶋陽菜のインスタグラム:ハーリップトゥの期間限定ストアについての投稿

通販事業にとって顧客リストは資産であり、その資産を有効活用できるD2Cのビジネスモデルは、まさに芸能人にうってつけの商売といえる。お笑いタレントの西野亮廣がクラウドファンディングを活用したり、オリラジの中田敦彦がYouTuberになったりするのも、知名度を使ってファンを囲い込み、そこに有益な情報を発信して商売に繋げいるD2Cの変形バージョンといってもいいだろう。

商売は甘くない

ただし、芸能人が全員、D2Cを成功させられるかといえば、そんな甘い話ではない。知名度がなければ当然、ファンを囲い込むことができないので商売は成立しなくなる。SNSの情報発信がうまくなければ、商品に対しても魅力を持ってくれないし、ファンに対しての熱い思いが伝わらなければ、やはり商品は売れない。

例えば、水嶋ヒロが始めたライフスタイルブランド「ジュードロップ」は、彼が芸能活動をほとんど休止状態にしていることもあって、そこまでD2Cとして注目を集めることができなかった。さらに、シャンプーという唐突すぎる商品選択も、ファンに対してうまく浸透させることができなかったといえる。

本人もやる気をなくしてしまったのか、販売ページでは昨年の5月17日以降、新着情報が更新されていない状況が続いている。新しい商品もリリースされておらず、小説執筆と同じで「思いつきで始めたのかな?」という感が否めない。

その点、小嶋陽菜は今もなお精力的に新しい商品を出し続けており、ファンを飽きさせないことに全力を出している。AKB商法の中で鍛えられ上げてきたこともあって、ファンとの距離感の詰め方が異常にうまく、ファンが何を求めているのかをよく心得ている。

 

今後、若い世代のタレントがSNSを駆使してD2Cを展開していく事例が増えていくと思われる。特にテレビ業界やイベント業界はスポンサーの広告費がネットに流れているため、タレントの報酬そのものが低下していく恐れがある。今の生活水準を守るために副業をはじめる芸能人は増えることが予想されるので、今以上にD2Cは芸能人の間で活性化していくのではないだろうか。