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新型コロナウイルスが「すでにピンチ」の日本経済に与えるダメージ

企業の業績は軒並み悪化…

2020年3月期の業績を下方修正する企業が相次いでいる。

米中貿易戦争の影響で輸出不振が続いていることに加え、増税による消費低迷も重なっており、外需、内需とも逆風にさらされている。だが、現時点での下方修正には新型肺炎の影響はあまり反映されておらず、感染拡大が長引けば業績はさらに悪化する可能性が高い。

もともと製造業には逆風が吹いていた

日本製鉄(旧新日鉄住金)は2020年2月7日、400億円の赤字としていた2020年3月期の業績について、一気に4400億円の巨額赤字に下方修正した。

米中貿易戦争の勃発で自動車向け鋼材需要が低下していることや、原材料価格の高騰などによって当初から業績悪化が不可避だったが、鋼材価格の下落がさらに進む可能性が出てきたことから、呉製鉄所(広島県呉市)の全高炉と和歌山製鉄所(和歌山市)の高炉1基の休止を決定した。これによって787億円の減損(呉製鉄所分)が発生するほか、鹿島製鉄所や名古屋製鉄所など主要拠点での赤字も継続しており、最終赤字幅が拡大した。

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ちなみに和歌山製鉄所には2基の高炉があるが、休止する高炉は2009年に稼働したばかりの新しい設備であり、事態の深刻さを物語っている。

神戸製鋼所も最終赤字の見通しで、赤字幅の下方修正を行ったほか、JFEホールディングスも減益見通しとなっている。

自動車向け鋼材が不調ということは、当然、完成車メーカーも厳しい状況にある。最大手のトヨタは増益だが、グループの部品会社であるデンソーは減益。日産は減益に加えて巨額減損の噂がくすぶっているし、ホンダも減益見通しである。