画像提供:サイバーエージェント
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サイバーエージェント「内定者でも子会社社長」になれるワケ

「無茶なことをさせる会社」の狙い
創業21年、売上高は連結で約4500億円、グループ従業員数も5000人を超える東証一部上場企業のサイバーエージェント。しかし同社では今もベンチャー企業顔負けの、若手の抜擢人事が頻繁に行なわれている。
なぜ、サイバーエージェントではそれだけの人事に耐えうる人材が集まり、育つのか? 同社の役員や子会社社長など総勢15名に取材した上阪徹氏の新刊『サイバーエージェント 突き抜けたリーダーが育つしくみ』から、株式会社CAmotion社長・村岡紗綾(さや)氏のインタビューを再構成して紹介。

インターンシップから選抜され、社長にプレゼン

新規事業プランコンテスト「Cycom(サイコン)チャンネル」の場が用意されており、若い社員でも新規事業を率いたり、子会社社長という起業家への道が開けているサイバーエージェント。若い社員には、これが大きなモチベーションになっている。

だが、チャンスは若い正社員にだけあるわけではない。なんと驚くべきことに、入社前の内定者にもそのチャンスがあるのだ。もっと言えば、内定する前のインターンシップで起業のチャンスを手に入れてしまった人物もいる。2019年入社で、2018年の内定中に株式会社CAmotion社長に就任した村岡紗綾もそのひとりだ。

「会社のサンプルをそんなにたくさん知っているわけではないので、こんなものなのかもしれないな、と思ったんですが、後から他社の起業支援制度についての話を聞くと、他社はスピード感がまったくない、サイバーエージェントが早過ぎるんだと気が付き、驚きました(笑)」

東京大学後期教養学部在学中、サマーインターンシップに参加した。もともと広告代理店志望。伝えることに興味があった。伝える力があれば、ユーザーの「好き」という気持ちを創出できると考えていた。サイバーエージェントは、広告代理店として興味を持っていた。インターンシップ後、村岡は人事に声をかけられる。

サイバーエージェントには、全国各地で開催されるさまざまなインターンシップの中から、選抜された学生のみが参加できる場を2016年から用意していた。それが、インターンシップの頂上決戦「DRAFT(ドラフト)」である。村岡は、2018年の第3回「DRAFT」に参加することになった。

インターンシップには、相当な数の学生が参加する。その中から25名が選ばれ、4〜5人ずつのチームに分かれてビジネスアイディアを競う、というのが「DRAFT」だ。村岡は、なぜ自分が選ばれたのか、人事のスタッフから直接、聞かされたという。

「リーダーとしてぐいぐい引っ張るのが得意な人は他の人の気持ちを尊重しなかったり、すべて自分で抱え込みすぎるタイプも多い中、チームに対する意識が強くて、できないことをはっきりさせて、それをサポートしながら、全体を見た上で進めていたよね、と。リーダー的な視点があった、ということを言われました」

広告代理店志望だったが、村岡が「DRAFT」に興味を持ったのは、社長の藤田に直接、提案ができる、という点だった。また、アイディアが事業化される可能性もあると聞いていた。

「ただ、やっぱり学生のアイディアだから、事業化されることなんてあるのかな、と正直思っていたんです」

 

「DRAFT」は、各チームが10日間でビジネスアイディアを出す。最後の3日間は合宿をし、最終日の提案まで持っていく。

チームには社員のメンターが2人ついた。しかし、手取り足取り、フォローしてくれるわけではない。事業アイディアの作り方を教えてもらえるわけでもなかった。村岡のチームは男性3人と村岡の4人。全員が初対面である。人間関係づくりも含め、まさにゼロからビジネスアイディアまで、到達しなければいけなかった。