「武漢からのチャーター便での帰国者は、チャーター機から降りると直接バスで隔離施設(南仏のバカンス村)に運ばれ、2週間隔離されました。その後、8人の陽性患者が発見され、合計11名になっています。いずれの患者も、中国と直接関係のある人からの感染です。15日現在、80歳代の中国人旅行者の死亡が確認された以外は、全員軽症で、退院したり、検疫期間が終わった人もいます」

日本ではチャーター機の第一便の帰国者の一部を検査が陰性だということで自宅に帰し、後に発症がわかったケースもあり、詰めの甘さがあるのは否めない。フランスはすべての帰国者を隔離施設に2週間隔離しており、施設内での二次感染も報告されていない。

国民のマスクに対する認識にも差

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また、奥田氏によると、日本とは異なり、パリではマスクをしている人は少なく、マスクをつけることは感染者ではないかとかえって疑われる行為なのだという。マスク単独での予防効果のエビデンスはなく、むしろマスクは、感染をしている人が周囲への感染をおさえるためにするものであるので、フランスの人々の認識のほうが適切かもしれない。

フランスでは、基本を押さえた組織的対応が、過剰にならず、冷静になされているといえる。

ただ、「流行の中心はアジアです。日本とフランスとでは、中国との地理的関係やチャーター便で帰国した感染者数にもそもそもの違いがあり、単純に比較をして、『フランスの対応が日本よりも優れている』と言うことはできません。あくまで、事実を正確に理解するのが大切です」と、奥田氏は付け加えた。