年6万人が死ぬ…急に心臓が止まる「心臓性突然死」の怖すぎる実態

専門医が見てきた患者たち
沖重 薫 プロフィール

肥大型心筋症は100%ではありませんが、多くの場合は心電図でわかります。今は中学生のとき全国で心電図検査を受けることになっており、彼女も受けていたのですが、それほど強い異常所見ではなかったので見逃されてしまったようです。もちろん、中学校の心電図集団検診は、それで助かった命もたくさんあるし、受けたほうがいいのは間違いありません。しかしそれは決して完璧なものではないということです。

 

ケース4.家事の最中、突然倒れた主婦

Dさんは40代半ばの専業主婦で、小学生のお子さんが2人いらっしゃいました。夕方、家事をしているときに突然心室細動が起こって倒れた。家にいた小学生のお嬢さんが救急車を呼びました。

Bさんのときと違って、救急車が来る前はAEDも心臓マッサージもされなかったのですが、救急車の到着が早かったおかげで軽い記憶障害が残った程度で助かりました。このとき、お嬢さんが家にいてくれて本当に良かった。もしもひとりだったら、そのまま亡くなっていた可能性が高かったと思います。

いろいろ調べましたが、Dさんの心室細動の原因はわかりませんでした。持病もなく、それまでの健康診断でも何も引っかからず、健康そのものだったそうです。このように原因不明の心室細動が起こることもあるわけです。「特発性心室細動」といいます。

それから10年ほど経ちますが、DさんはICDを植え込んで元気に暮らしています。ICDは1台400万円くらいしますが、保険適用なので「高額療養費制度」が使えます。これは日本が世界に誇るべき素晴らしい制度だと思います。

次回(2月21日公開予定)は、さらなる実例とともに、突発性心臓死を避ける方法をお伝えしたいと思います。

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