年6万人が死ぬ…急に心臓が止まる「心臓性突然死」の怖すぎる実態

専門医が見てきた患者たち
沖重 薫 プロフィール

到着時には心室細動を起こしていたので、即座に電気ショック療法を施し、無事に回復したのですが、血液検査で発覚したのは、血液中のカリウム値が極端に低かったということでした。

ご家族に話を聞くと数日前から激しい下痢と嘔吐があったそうで、このような場合、体内および血液中からカリウムを大量に喪失します。カリウムを大量に喪失するとQT間隔が異常に長くなるとともに、多くの不整脈治療薬の重篤な副作用が出てしまうのです。

もともとそれほど危険な薬剤ではなくても、血液のカリウムやナトリウムなどのバランスが急激に損なわれると、このような悲惨な事象が起こるのです。単なる下痢や嘔吐も状況によってはこのように致死的な事態を起こしてしまうので決して軽視できません。

 

ケース3.通学中に失神した女子大生

Cさんは20代はじめの女子大生。早くにお母さんを亡くし、高齢のお父さんと2人で暮らしていました。そんな彼女が電車通学中に車内で突然心室細動を起こして転倒したのです。周囲に乗り合わせた方々の緊急処置でかろうじて一命は取り留めましたが、下半身の麻痺と重度の脳機能障害が残り、若くして要介護になってしまいました。

原因は「肥大型心筋症」でした。左心室の筋肉が生まれつき異常に厚いという先天性の心臓病で、決してそれほど珍しい病気ではありません。厚いほうが丈夫に思えるかもしれませんが、心筋が厚すぎると心臓の拡張機能が損なわれます。こういう人はマラソンなど激しい運動をすると発作を起こしやすく、Cさんのように安静にしているときに発作を起こすこともあります。このときも心室性期外収縮によって心室細動が起こったと考えられます。

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