年6万人が死ぬ…急に心臓が止まる「心臓性突然死」の怖すぎる実態

専門医が見てきた患者たち
沖重 薫 プロフィール

欧米では心筋梗塞を起こした人にはICD(植え込み型除細動器)を植え込むことが多いです。「ICDを植え込む」とは、AEDを体内に埋め込むようなもの。心室細動のような重篤な不整脈が起こったとき、それを迅速に察知してICDが自動的に電気ショック治療を行ないます。

しかし欧米とは異なり、日本のガイドラインでは一次予防でのICDは原則として認められていません。一度、心臓が止まった患者さんでなければICDは使えないことになっているのです。その患者さんにICDを植え込んでいたら事故を回避できていたかもしれないと思うと、つくづく残念でなりません。

 

ケース2.会社のデスクで心臓が止まる

Bさんは大学生の息子さんと奥さんがいらっしゃる40代の男性です。ある日、会社でデスクワークをしているとき急に意識を失いその場に倒れこんでしまった。心室細動を起こして心臓が止まった状態で、救急車で運ばれました。救急車が来るまでに同僚が、倒れた直後から心臓マッサージをしたこともあって何とか一命を取り留め、その後引き続いて低体温治療をしたことで幸い特に脳機能障害も残りませんでした。

その後、よくよく調べてみると一点だけ心電図で異常が見つかりました。「ショートQT症候群」(後述)という珍しい病気を持っていたのです。もちろん健康診断は受けていたと思いますが、この病気は心臓専門医でないと見逃してしまいます。Bさんも発作を起こすまでは何の自覚もなかったそうです。

Bさんの場合は一度心臓が止まったので、二次予防(二回目の不整脈発作を防ぐ)ということで前胸部にICDを植え込みました。その後、不整脈発作予防の薬を飲んでもらいながら私がその後3年間程診察した後、なんの問題もなく経過しほかの地方に転勤されました。おそらく今も元気にしていることと思います。

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