友人たちの差別発言に対する
絶対に引かない強い意志と態度

とはいえ、わたしも呑気に構えていたひとりだった。なんなら「わたしってドイツでモテるのかも!?」と思わなかったわけでもない。しかしそんなわたしの横っ面を張り飛ばして目を覚まさせてくれたのは、現地の友人たちだった。

日本人の自己主張の苦手さは有名らしく、ドイツでは「ここでは遠慮したらだれも察してくれないよ!」「ドイツ人は言われなきゃわかんないから言って!」「嫌なことは嫌って言わないとダメ!」と、耳にタコができるほど言われた。

就職の面接に行くときは「恋人の有無や妊娠の予定とか聞かれても答えなくていいんだよ」と言われ、クラブに行くときは「飲み物から目を離しちゃダメ」と忠告される。

言語的に不利で、さらに危機感が薄い日本人の言動は、友人からすればどうにも「危なっかしい」らしい。

決定的だったのは、バイト先のカフェで、とある男性の同僚から「日本人は親切な国民性だっていうじゃないか。だったら日本人らしくもっと俺に親切にしろよ。これだから女は……」と言われ、わたしが怒るより先にそれを聞いたほかの人たちがブチ切れたことだ。

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「差別主義者は出て行け!」「訂正しなきゃわたしたちはみんな辞める!」「店長、こいつをクビにしろ!」と女性全員が烈火のごとく怒り、激しい怒鳴り声に驚いた客がキッチンのなかに様子を見にくるほどだった。