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日本人はどこで「ダイヤモンド・プリンセス号」の対応を間違えたのか

アメリカを怒らせ、世界から非難され

楽しい船旅のはずが、危険なウイルスがまん延する船内に閉じ込められると誰が想像していただろう。

新型コロナウイルスの検査のため、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が横浜港で足止めを食らってまもなく2週間が経つ。日本本土への感染拡大を防ぐため、政府は乗客・乗務員合わせて約3500人への検査を進めているが、待機期限の19日までに全員の検査を完了させるには、まだほど遠い状況だ。米国政府は自国民の乗客をチャーター機で帰国させる方針を固め、安倍政権の対応に国際世論の批判が強まっている。

 

強まる「人権侵害」の声

「公衆衛生の危機対応として、教科書に載るような悪い例」

米有力紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日の記事で、日本政府の今回の対応についてこう強く批判した。

日本政府は、検査により感染が確認された人は医療機関に順次搬送する方針で、非感染者、結果待ちの人には客室などでの待機を求めている。また、80歳以上の高齢者で持病がある人などについては、ウイルス検査で陰性だった場合、本人の意向を確認した上で政府が用意した宿泊施設に移ってもらうとしている。

しかし船内での感染拡大に歯止めがかからず、こうした対応に海外メディアを中心に批判の声が強まっている。客室での待機が基本とはいえ、食事の給仕など乗員・乗客が接触する局面はどうしても出てくるため、拡大を防ぐのは不可能だ。感染の恐怖と戦いながら生活すること自体も強いストレスとなる。外国人乗客から「人権侵害だ」との非難の声が上がるのも無理はないだろう。

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日本政府は、現状1日300件の検査能力を1日1000件以上に拡充するよう急いでいるが、14日時点で検査済は930人と、全乗員・乗客の4分の1程度しか進んでいないのが現状だ。15日までに感染が確認されたのは285人。停泊が長引いたことにより、かえって感染が拡大した可能性は極めて高い。

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