介護士はみな「人間愛」にあふれている訳じゃないと悟った衝撃の瞬間

「ケア優先」vs「業務優先」という難題
旦木 瑞穂 プロフィール

介護士は必ずしも善人ではない

新島さんは、介護業界には「利用者のために良い方法は?」と考える「ケア優先派」と、「現場がうまく回るために良い方法は?」と考える「業務優先派」、2種類の人が居ると話す。

「もちろん、慢性的に人手不足な業界なので、現場がうまく回るために良い方法を考えるのは大事ですし、多くの介護士はそう極端ではなく、業務もケアもバランスを取りつつ臨機応変に『どこまでのケアをやるか=時間内に終わるケア内容』を考えます。しかし残念ながら、施設を運営する会社や上の立場の者の方針がどっちつかずだったり、経営理念では『ケア優先』をうたっていながら、『業務優先派』の人ばかりを『仕事が早いね』と褒める職場もあります」

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新島さんは介護士になってから、ある特定の職場を辞めたいと思ったことはあるが、介護職自体を辞めたいと思ったことはないという。

「私の場合、対入所者さんなら、たとえ暴力や暴言があったりしても、そういった問題行動はこちらの関わり方で軽減される例が多いので、むしろケア意欲が増す材料になり、辛くはありません。でも、対職員の場合は違います。『介護士になる人は必ずしも善人ではない』というのは当然のことかもしれませんが、誰もが最低限の『人間愛』みたいなものは持ち合わせていると思っていました」

 

職員Bのような人には時々悩まされた。

「いくら人手不足でも、注意しても加害意識すらなく、言葉が通じないような人ならいないほうがマシだと思うのですが、よほどの変人でない限り入職出来てしまうので、今後も目撃することはあると思います。それが一番辛いですね」