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介護士はみな「人間愛」にあふれている訳じゃないと悟った衝撃の瞬間

「ケア優先」vs「業務優先」という難題

「こうすると早く飲み込んでくれるんですよ」

「ちょっと!何してるんですか?!」

現在39歳の新島桜子さん(仮名)は、介護職に就いて11年目。虐待まがいなケアをしている職員を何度か見かけたことがある。

重度認知症の80代女性のAさんは、食事に全介助が必要で、食べ終わるのが一番遅い。職員Bは、「早く終われば他の利用者のケアに行けるのに」と、いつもイライラしていた。

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ある日、新島さんは職員Bと食事介助の担当になった。新島さんが他の利用者のケアで食事ホールを離れ、しばらくして戻ると、職員BがAさんの鼻をつまみ、口をタオルで抑えている。

慌てて叫んだのが冒頭のセリフだ。

職員Bは悪びれもせず、「こうすると早く飲み込んでくれるんですよ」と得意げに言う。

 

Aさんの顔はみるみる紅潮し、眉をしかめて苦しそうな表情に。新島さんは「もうやめて!」と急いで駆け寄った。その瞬間、Aさんはゴクっと音を立てる。職員Bは手を離し、「ほら飲んだでしょ」と笑った。

「口にため込んで、なかなか飲み込めないお年寄りは多いです。本来はご本人のペースで見守るべきなのに、鼻と口を塞ぐなんて、『息ができないから飲みこむ』だけのことでそれは介護技術ではないし、そんな苦しみを伴う方法は虐待です。職員Bの人格を疑いました」