槇原敬之さん逮捕で露呈…劣化する「マスコミの罪」

「ダメ。ゼッタイ」ではダメ!
田中 紀子 プロフィール

薬物をやめ続けることはできる

奇しくも同日、田代まさしさんの初公判が行われたわけだが、槇原さんにしろ、田代さんにしろ再発はしてしまったが、だからといって薬物依存症者が薬をやめることが不可能なわけではない。

メディアは「やっぱり薬はやめられない」「一度使ってしまったらもう終わり」といった薬物依存の人が絶望してしまうような、間違ったメッセージを報じないよう気をつけてほしい。

実際には、薬物依存症者の自助グループNAに繋がり、薬物をやめ続けている人もいれば、ダルクのような回復施設で回復していく人も多くいるのである。

 

日本では止め続けている芸能人が報道されたり、回復を賞賛される機会がないので、再発した場合ばかり大々的にとりあげられることになるが、実際にはやめ続けている人の方が多い。

欧米では、むしろ回復を続けている姿が報道されたり、長年やめ続け薬物支援にあたった芸能人が大統領に表彰されたりするので、人々が回復する姿を目にすることができ、回復を信じられるため支援体制が広がっている。

ところが日本では「どうせ回復できない」「一度やったらお終い」というネガティブキャンペーンばかりが行われるため支援体制もなかなか整っていかない。

また国の方針も科学的かつ論理的な対策がとられず、「ダメ。ゼッタイ」のような精神論ばかりなので、これだけ誤解や偏見が広まってしまったのである。