槇原敬之「2度目の逮捕」で危惧…芸能人の薬物事件を愉しむ人たち

「処罰より治療」という一言に尽きる
原田 隆之 プロフィール

刑務所に入れてしまうと、そこでは十分な治療は受けられないし、家族や仲間、仕事を失ってしまうことにもなりかねない。

本人の自尊心は大きく損なわれ、周囲からの差別やスティグマも大きくなる。それでは立ち直るどころか、いたずらに孤立を深めてしまい、ますます薬物へと逃げるしかなくなってしまう。

逆に、社会のなかに包摂し、効果的な治療や福祉的サービスを提供すること、そしてそれが受けやすい社会にすることが、何よりも薬物問題の解決に効果的なのである。

繰り返すが、これは薬物に対して寛容であれというのではない。違法薬物はあくまでも違法である。しかし、そこからの立ち直りを支えることに寛容であることは、むしろ薬物問題に対峙するときに正しい社会のあり方である。

 

また、これも何度も「現代ビジネス」で主張したことであるが、薬物依存からの立ち直りには、何度かの失敗はつきものである。これもまた厳然たる事実である。

いくら万全の治療を受けていても、その過程で何度かの再使用をしてしまうことはよくあることであり、治療者はそれを織り込み済みで治療に当たっている(「田代まさし『覚せい剤で再逮捕』…薬物依存症の治療は失敗だったのか」「三田佳子の次男4度目の逮捕…知っておきたいゼロからわかる薬物依存」)。

これもまた、薬物に甘いのではない。

再使用を失敗と受け止めて治療をやめてしまったり、処罰を受けさせたりするのではなく、なぜ失敗してしまったのか、次はどうすれば同じ失敗を繰り返さないかを考えながら、失敗から学ぶことがより効果的な治療につながり、薬物の克服に向けてさらに一歩前進できる契機となるのである。