ナイキの新型厚底シューズ「アルファフライ」圧倒的強さと「不安要素」

「日本人インソール技術者」が徹底解説
冨永 琢也 プロフィール

靴ひもの位置に秘密が…

「アルファフライ」は、規制の範囲内で出せる最大のシューズ効果を実現している――そう考える理由はまだあります。

【靴ひもがセンターについていない】
ヴェイパーフライにも共通して言えることですが、ひもの位置とアウトソールが終わる位置が素晴らしい。通常の靴では足の中央に紐があり、アウトソールの終わりも足の中央にあることが多いのですが、下の画像資料のように、足の構造はそもそも中央が一番高い構造にはなっていません。中央より内側(親指側)が最も高く、足の最終蹴り出し位置は親指と人差し指の間が最も力を効率よく発揮できるものなのです。

 

ひもを中央に作ってしまうと、靴の中央に足の一番高いところがスペースを求めて逃げてくる形となり、靴の中で足が外側に動いてしまいます。これはランニングシューズだけでなくあらゆるシューズに言えることです。私たちは、よく小指の付け根が靴にあたり痛く感じることがありますが、そのほとんどは靴の中で足が外側移動または外側回転してしまっていることが原因なのです。

ヴェイパー、アルファともに紐の位置を外側に設置することで、そこにしっかりとした壁ができ、靴の中での足の外側移動を抑制させるとともに、親指と人差し指方向で蹴り出すよう促されていると考えられます。これは、立方骨までは安定させ、親指方向に体重の軌跡が駆け抜ける様にコントロールされていることへの相乗効果とも考えられます。