ナイキ「エアズーム アルファフライ ネクスト%」

ナイキの新型厚底シューズ「アルファフライ」圧倒的強さと「不安要素」

「日本人インソール技術者」が徹底解説

日本の医療インソール技術者として初めて海外で起業し、五輪選手やゴルフプレーヤーのためのインソール開発を手がけている冨永琢也氏。ナイキが厚底シューズの第一弾を出した2016年から、その性能に着目していた冨永氏が、ナイキの新作「エアズーム アルファフライ ネクスト%」を専門家の視点から完全解説する。

【前編はこちら】「ナイキの厚底シューズ」発売当初は、実は見向きもされなかった!

 

すさまじい商品開発スピード

インソールで世界を変えていきたい――そう考えて豪州の地で日々奮闘している私ですが、それにしてもナイキ「アルファフライ」の発表にはさすがに驚きました。外国企業の商品開発のスピードはすさまじいです。

この「アルファフライ」ですが、内臓のカーボンプレートは3枚から1枚に、ソール厚規制ぎりぎりの39.5mmとなりました。ですが、私はこれまで以上の結果を出せるシューズであると考えます。もしかしたら、規制の範囲内で出せる最大のシューズ効果を実現しているかもしれません。その理由をお話しいたします。

【カーボン位置の修正】
上の画像でお分かりいただけると思いますが、ミッドソールが分厚くなったのはカーボンより下の部分です。前回説明したように、カーボンを介して反発材(※ヴェイパーフライなどではズームXフォームと説明されている部分)を押すことで、カーボンがない状態よりも面全体からズームXの反発を効率よく受け取ることができます。今回はカーボンの下にさらにズームXをかさ増ししたことで、その反発性が向上したことは間違いないはずです。

【最も力がかかる前足部の部分に装備されたエアーポッド】
かさ増ししたカーボンの下、ズームXフォームの幅で最も力がかかる前足部の部分にエアーポッドが備え付けられました。これを前足部に仕込むにはヴェイパーフライネクスト%の構造では不可能だったのです。このエアーポッドもカーボンを介して面で押すことで、最大限の反発力をえることができるようになっています。