早期退職・再就職で「社名と肩書き」にこだわって失敗する会社員が続出中

もうそういう時代じゃありません
前川 孝雄 プロフィール

しかし、それでも多くの人にとって安易に早期退職を選択することは得策ではないと私は考えている。現在53歳の私自身、当事者世代であり、大企業で約20年働いたあと早期退職し独立・起業したため、早期退職後に何が起こるか身をもって知っているからだ。

また、起業後は12年にわたり大手企業を中心に400社以上で人材育成支援の仕事を手掛けてきた。企業が中高年人材をどう見ているか、転職市場でどう評価されるか、転職したらどう扱われるかも多数見てきた。以下では、どんな人が早期退職で失敗するのかについて見ていこう。

 

大企業はもはや「印籠」ではない

大手企業を早期退職してもうまくいかない典型例は、社名や肩書き、給料にこだわりすぎる人だ。大企業で管理職を務めてきたミドルにはそれなりの自負心があるものだ。

しかし、社名や肩書きに必要以上のプライドを持ちすぎている人は、そのプライドが、第二、第三の職業人生において邪魔になってしまうことが多い。関連企業に出向する場合に「元の会社で課長だったから出向先では部長でなければ」、転職する場合に「今までと同格の大企業で、同格の役職でなければ」といったこだわりをあまりに強く持っていると選択肢は狭まるばかり。

また、結果として中小企業で働くことになった場合、都落ちした感覚に囚われてしまうことにもなる。それでは新しい職場で浮いてしまい、新たなキャリアを前向きに切り拓いていくモチベーションも維持できない。このような人は、他人にどう見られているかということを意識しすぎて、自分らしく働くキャリアに向かうことができなくなっている。