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早期退職・再就職で「社名と肩書き」にこだわって失敗する会社員が続出中

もうそういう時代じゃありません

大手企業を中心に増える早期退職・希望退職募集。もはやこれ以上の出世も望めないし、退職金上乗せも期待できるため、手を上げようと考える50代会社員も少なくないだろう。『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHPビジネス新書) を上梓した前川孝雄氏が賢いキャリアの後半戦の作り方を解説する。

始まった「先行型」の早期・希望退職募集

東京商工リサーチによると、2019年1-12月に早期・希望退職者を募集した上場企業は延べ36社、対象人数は1万1351人。前年から約3倍となっている。また注目すべきは、13社が減収減益や最終赤字などの業績不振企業ではなかった点だ。多くの企業で構造転換を推し進めており、今後の変化に対応する「先行型」といえる。

一方でAIなど最先端の研究をしている新卒人材については年収1000万円を超えるような破格待遇で採用しようとしている企業も増えていることからもわかるように、年功序列で高くなった給与に対してスキルのほうは古びてきた中高年人材をリストラしたいという企業の思惑が透けて見える。

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およそ30年にわたり、終身雇用を信じて辞令1枚で転勤や出張、家庭を顧みる余裕もなく長時間労働もいとわず働いてきた企業戦士としては、梯子を外されたように感じている人も少なくないだろう。

かたや人生100年時代ともなり、平成の初期には55歳だった定年もいまや60歳、さらには65歳になろうとしている。政府は高齢社会の進展で年金財政への懸念から、企業に70歳までの就業支援を求めようと画策している。現在50代の当事者からすれば、不条理や不遇に耐え抜いてきたサラリーマン人生のゴールを先延ばしにされるようで、なおさら早期退職に食指を動かす気持ちは十分理解できる。