授賞式ではポン・ジュノが壇上に上がる度に会場からは割れんばかりの拍手が起きました。そして、その雰囲気が一番如実に現れたのは作品賞を受賞した時。

プロデューサーのクァク・シネがスピーチを行った後すぐ、時間を過ぎていたためステージの明かりが一度落とされてしまいました。しかしその瞬間、会場からは「Up! Up! Up!」という歓声で「明かりをもう一度つけろ!」と合唱が始まったのです。

壇上にいる『パラサイト』のキャスト・スタッフらを讃える客席の映画人たち。クァク・シネのあと、同作品の配給と制作を手掛けた会社を傘下におくCJグループのイ・ミギョン副会長が流暢な英語でスピーチした〔PHOTO〕Getty Images

その合唱には、一番最前列の大スターたち──トム・ハンクスやシャーリーズ・セロンも含まれていました。ステージ上の韓国勢と、観客席の業界人全員が一つになっている、映画業界の絆の強さを物語る一幕でした。

『パラサイト』の作品賞、監督賞受賞以外はほとんどサプライズのない、穏やかな授賞式でしたが、会場を盛り上げたものがもう一つありました。それは、さまざまな音楽パフォーマンス。特に、オープニングを飾ったジャネール・モネイのパフォーマンスは素晴らしく、見ていた私は「これぞオスカー!」と、とてもうれしくなりました。