悲願のオスカーを獲得したベテラン2人のスピーチ

一方、素直に喜びを語ったスピーチが印象的だったのが、Netflixオリジナル作品の『マリッジ・ストーリー』で助演女優賞を獲得したローラ・ダーンです。ベテラン女優ながら初めてのオスカー受賞となった彼女はスピーチの最後に、「ラッキーな自分は英雄がすぐそばにいる」と言って、同じく俳優である両親のブルース・ダーンとダイアン・ラッドの名前を言いました。会場にいたダイアン・ラッドは涙を浮かべて喜んでいました。二人はオスカーノミネーションの経験はあるものの受賞はしていないので、娘であるローラが受賞をしたことは最高の喜びだったに違いありません。

終始にこやかに、素直に喜びを表していたローラ・ダーン〔PHOTO〕Getty Images

また、ローラ・ダーンは翌日が誕生日だったらしく、「最高の誕生日プレゼント」と喜びを表現していました。個人的には彼女が何度も一緒に組んできたデビッド・リンチ監督の名前を言うかが注目点だったのですが、言わずに終わりました。

一方、同じくベテランながら初めてのオスカー受賞となったブラッド・ピットは、スピーチでブレイクのきっかけになった『テルマ&ルイーズ』(1991年)の監督であるリドリー・スコットとジーナ・デイビスに触れていました。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で助演男優賞を獲得したブラッド・ピット。客席にいるレオナルド・ディカプリオに「僕は君の成功に便乗していくよ」と言って会場の笑いを誘った〔PHOTO〕Getty Images

もう一人、私の印象に残ったスピーチは、ナチス政権下で生きるドイツ人少年とユダヤ人少女の出会いをユーモラスに描いた『ジョジョ・ラビット』で脚色賞を受賞したタイカ・ワイティティです。